コンコルド効果とは?
– 損失を恐れるあまり非合理な判断を下す心理現象 –
📌 概要
『コンコルド効果(Concorde Effect)』とは、すでに多くの資金や労力を投入してしまったために、たとえ今後の見込みが薄くても、プロジェクトや行動をやめることができず、さらに投資を続けてしまう心理的傾向を指します。
この現象は「サンクコスト効果(埋没費用効果)」とも呼ばれ、合理的な判断を妨げる要因となります。
✈ 名前の由来
この効果の名前は、『イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機「コンコルド」』に由来します。
- コンコルドは、開発費用が膨大でありながら、商業的な成功が見込めないと早くから指摘されていました。
- しかし、すでに多くの資金が投じられていたため、プロジェクトは中止されることなく続行されました。
このように「引き返せない心理」が非合理な継続判断を生む例として象徴的だったのです。
💡 具体例
1. ビジネスの現場で
- 不採算な新規事業に多額の初期投資をしてしまい、「ここでやめたら損だ」と感じて撤退を見送る。
2. 日常生活で
- 映画館でつまらない映画を観ているが、「お金払ったし途中で帰るのはもったいない」と最後まで観続ける。
3. 恋愛・人間関係で
- 長年付き合った恋人との関係が破綻していると分かっていても、「ここまで付き合ってきたから」と別れを先延ばしにする。
🧠 心理的メカニズム
要因 | 内容 |
---|---|
損失回避 | 人間は「得をすること」よりも「損をしないこと」を強く重視する傾向がある。 |
自己正当化 | これまでの決断を正当化しようとし、過ちを認めるのを避ける。 |
一貫性の欲求 | 一貫した行動をとりたいという心理が働き、途中でやめることに抵抗を感じる。 |
✅ 対処法・回避策
- サンクコストは無視する: すでに支払ったコストは回収不可能であり、今後の利益や合理性に基づいて判断するべき。
- 外部の意見を取り入れる: 客観的な視点を持つ他人の意見を聞くことで、冷静な判断ができる。
- 事前に撤退ラインを設定する: どの時点でプロジェクトや関係をやめるかをあらかじめ決めておく。
🔚 まとめ
コンコルド効果は、感情や過去の投資が理性的な判断を歪める心理バイアスの一つです。
ビジネスでも日常生活でも誰もが陥る可能性があるため、「今後の見込み」と「過去の埋没コスト」を切り離して考える習慣を身につけることが重要です。
💬 あなたも、こんな経験ありませんか?
「もったいない」と思ったその時こそ、冷静な判断が求められているのかもしれません。
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