買うときから勝負が決まる!極上のサンマの塩焼きを作るコツ
秋の訪れを感じさせる旬の味覚といえば──やっぱりサンマ。脂がのったサンマの塩焼きは、日本の秋の食卓に欠かせない存在です。
「焼くだけでしょ?」と思いがちですが、実は買い方・下処理・焼き方の3ステップで味に大きな差が出ます。
ここでは、料理研究家・土井善晴さんの知見も交えつつ、とびきり美味しいサンマの塩焼きを作るコツをご紹介します。
サンマ選びは“買うとき”から勝負
スーパーの魚売り場では、パックされたものと氷水に浸されたもの、どちらも見かけることがありますよね。実は、『保存状態が良いのは「氷水につけられたサンマ」』です。
また、サンマを選ぶ際は次のようなポイントもチェックしましょう:
- 目が澄んでいる:にごっていたら鮮度が落ちています。
- 体がふっくらしてハリがある:脂のりが良い証拠です。
- 口先が黄色い:新鮮なサンマの特徴。
迷ったら、氷がしっかりとあてられているものを選ぶのが正解です。
下処理:手の温度が命取り!
サンマは手でベタベタ触ると鮮度が落ちやすい魚です。冷蔵庫に入れるときや洗うときは、尾や目のあたりを軽くつまむようにして持つのがコツ。
そしてここが重要ポイント!
サンマは内臓ごと焼くからこそ美味しい魚。ほとんどの魚は内臓を取って水洗いしますが、サンマは下処理をせずに焼く直前まで冷やしておくのが基本です。
内臓のほろ苦さが、脂の甘みを引き立ててくれるんです。
焼き方:シンプルだけど奥深い
焼く前の準備
- 水分はしっかり拭き取る!
ぬれたままだと焼き時間が延び、皮がカリッと仕上がりません。 - 全体に塩を均等にふる
腹の中にも軽く塩をふると、内臓の臭みが抑えられます。
焼くときのコツ
- 焼き網・グリルはしっかり予熱
冷たい状態から焼くと皮がくっつきやすくなります。 - ひっくり返すのは1回だけ
サンマの身はくずれやすいので、慎重に。 - 焦げすぎ注意!
尾や頭が焦げやすいので、アルミホイルでカバーして調整しましょう。 - 見せ場を意識する
盛り付ける際に上になる面(頭が左、腹が手前)を美しく仕上げましょう。
仕上げと食べ方:秋の贅沢を満喫!
焼き上がったら、たっぷりの大根おろしと、キリッとすだちを添えてどうぞ。ご飯の湯気と、香ばしいサンマの香りが食欲を刺激します。
「サンマの美味しさは、いかに内臓を美味しく食べるかにある」
— 土井善晴(料理研究家)
補足:より美味しく楽しむための豆知識
- グリルの匂い残りが気になる方は…
焼き網にレモン汁や酢を薄く塗ると、匂い移りを防げます。 - 脂が多すぎて煙が出る時は…
グリルの受け皿に水と少量の酢を入れておくと、煙や臭いを軽減できます。
おわりに
ただ焼くだけのように見えて、実は繊細な手順が求められるサンマの塩焼き。ほんのひと手間で、驚くほど味わいが変わります。
今年の秋は、ひと味違う“極上のサンマ”を味わってみませんか?
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